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代表弁護士 小川敦也

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東京高判平成24年3月26日 (日本ベリサイン事件控訴審判決)

本判決は,①能力不足と,②労働者による非違行為という2 つの類型の解雇事由が混在する事案において,「信頼関係の毀損・喪失」という共通の枠組みを用いて解雇の合理的理由ありとの結論を導いている点に特徴があります。

1 事案の概要

  Xは,平成17 年,内部統制業務に関する知識と経験を買われ,Y 社に内部監査室長として雇用された。Xの入社時の年俸は1200 万円(月額約94 万円+α)であったが,平成20 年に賃金が月額150 万円に引き上げられた後,平成21年にY社から年俸を1300万円(月額約92 万円+α)と決定したとの通知を受けた(「本件給与減額」)。

 Y社は,平成2012月,Xに対し,業務命令違反等を理由とする懲戒処分を,また,平成217月には普通解雇する旨を通知した(「本件解雇」)。解雇理由は,①内部監査室長としての業務遂行能力不足,②現経営陣等からの信頼を著しく失ったこと,③担当可能な業務の不存在等であり,これらが「前各号に準ずる解雇に相当する合理的な事由があるとき」という解雇事由に該当するとされた。Xは,地位確認と賃金支払を求めて提訴した。原審(東京地判平成221227日・労判103162頁)では,本件解雇を無効とするX一部勝訴判決が下され,双方が控訴した。

   なお,Y 社経営陣においては,平成17 年にY 社がA 社を買収した際に巨額の損失を生んだことに関し,当時の旧経営陣の責任追及をめぐって,積極派(Xを含む3名)と消極派(代表取締役を含む旧経営陣)のグループ間対立が存在した(後に積極派は全員退職)。

2 裁判所の判断

Y 社の控訴認容。Xの請求棄却。

⑴ 本件給与減額について

  月額150 万円への給与引上げについて,代表取締役の決裁等,Y 社内における「適正な手続が履践されたことを基礎づける合理的な根拠は存在しない」から,そもそも給与引上げ自体が無効である以上,引上げ分の給与支払請求は理由がない。

⑵ 本件解雇の効力について

ア Xは,社長直属の内部監査室長として雇用され,入社時の基準年俸は1200 万円と高額であったことから,難度の高い職務において幹部としての職務を遂行することが予定されていた。よって,Xの雇用関係の継続のためには経営陣との間の信頼関係が維持されることが必要である。

イ しかし,Xは,経営陣から期待された3つの主要な業務につきそれぞれ,職務懈怠,Xの言動を原因とする人間関係悪化及び業務遂行不十分が認められる。かかる主要業務の不達成により,Xは親会社経営陣等との「信頼関係を毀損」した。

ウ また,X は,内部監査室長の地位にあるにもかかわらず,適正な手続を欠く自らの給与引上げの有効性に固執し,また,旧経営陣の責任追及には慎重になるべきとする代表取締役の方針ないし業務命令に違反したことで懲戒処分を受け,その後も自らの責任を否定する態度を取り続けた。Xは,かかる自身の言動により,Y 社経営陣等との間の「信頼関係を喪失」させた。

エ 「以上によれば,X の責任に帰する事由によってXY 社の内部監査室長として雇用を継続することが困難な事由が生じていると認めることができる。

  そして,X を相応の役職の幹部職員として雇用を維持することについても,Y 社経営陣や他の職員との信頼関係の毀損により,もはや困難になっていると認めることができるから,X については,解雇を相当とする合理的な事由…が存在すると認めることが相当である。よって,本件解雇は有効」である。


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