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退職勧奨の違法性:下関商業高校事件

事件名

損害賠償請求控訴事件

広島高等裁判所昭和49年(ネ)第二四〇号

昭和52年1月24日第三部判決 下関商業高校事件

争 点:退職勧奨の違法性

退職勧奨は、任命権者がその人事権に基き、雇傭関係ある者に対し、自発的な退職意思の形成を慫慂するためになす説得等の行為であって、法律に根拠をもつ行政行為ではなく、単なる事実行為である。従って被勧奨者は何らの拘束なしに自由にその意思を決定しうるこというまでもない。

本件退職勧奨についてみるに、前記認定のとおり、被控訴人らは第一回の勧奨(二月二六日)以来一貫して勧奨に応じないことを表明しており、特に被控訴人らについてはすでに優遇措置も打切られていたのにかかわらず、八木らは被控訴人坂井に対しては三月一二日から五月二七日までの間に一一回、同河野に対しては三月一二日から七月一四日までの間に一三回、それぞれ市教委に出頭を命じ、八木ほか六名の勧奨担当者が一人ないし四人で一回につき短いときでも二〇分、長いときには二時間一五分に及ぶ勧奨を繰り返したもので、前年度(昭和四三年度)までの被控訴人らに対する勧奨の回数は校長によるものを含めても二、三回であったのに対比すると極めて多数回であり、しかもその期間も前記のとおりそれぞれかなり長期にわたっているのであって、あまりにも執拗になされた感はまぬがれず、退職勧奨として許容される限界を越えているものというべきである。また本件以前には例年年度内(三月三一日)で勧奨は打切られていたのに本件の場合は年度をこえて引続き勧奨が行なわれ、加えて八木らは被控訴人らに対し、被控訴人らが退職するまで勧奨を続ける旨の発言を繰り返し述べて被控訴人らに際限なく勧奨が続くのではないかとの不安感を与え心理的圧迫を加えたものであって許されないものといわなければならない。

 さらに八木らは右のような長期間にわたる勧奨を続け、電算機の講習期間中も被控訴人らの要請を無視して呼び出すなど、終始高圧的な態度をとり続け、当時「組合」が要求していた宿直廃止や欠員補充についても、本来本件退職勧奨とは何ら関係なく別途解決すべき問題であるのに、被控訴人らが退職しない限り右の要求には応じられないとの態度を示し、被控訴人らをして、右各問題が解決しないのは自らが退職勧奨に応じないところにあるものと思い悩ませ、被控訴人らに対し二者択一を迫るがごとき心理的圧迫を加えたものであり、また被控訴人らに対するレポート、研究物の提出命令も、その経過にてらすと、真にその必要性があったものとは解し難く、いずれも不当といわねばならない。

最後に被控訴人らが本件退職勧奨により受けた損害及びその額について検討するに、被控訴人らに対する退職勧奨の回数、その態様、勧奨時の八木らの発言、勧奨に関連してなされたレポート・研究物の要求、宿直廃止問題、被控訴人河野に対する夜間の電話・配転問題などこれまで認定してきたところのすべての事情を総合して考えると、被控訴人らが本件退職勧奨によりその精神的自由を侵害され、また受忍の限度を越えて名誉感情を傷つけられ、さらには家庭生活を乱されるなど相当の精神的苦痛を受けたことは容易に推認しうるところであって、その精神的苦痛を慰藉すべき金員の額は以上の諸般の事情を考慮すると、被控訴人ら主張の勤労権、平等権、教育権の各侵害につき論ずるまでもなく、被控訴人坂井については金四万円、同河野については金五万円を下らないものと考える。

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