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代表弁護士 小川敦也

東京弁護士会

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業務命令の適法性 最判平成5年6月11日 国鉄鹿児島自動車営業所事件

事 案

管理者に準ずる地位にある職員が組合員バッジの取外し命令に従わないため点呼執行業務から外して営業所構内の火山灰の除去作業に従事することを命じたところ、「本件各業務命令は、運輸管理係としての日常の業務があり、殊更降灰除去作業を命ずべき必然性はなかったのに、本件バッジの取外し命令に従わなかったことに対し、懲罰的に発せられたものである。このように、かなりの肉体的、精神的苦痛を伴う作業を懲罰的に行わせることは、業務命令権の濫用であって違法である」として慰謝料の支払いを請求した事案。

争 点

業務命令の適法性

判 示

降灰除去作業は、F営業所の職場環境を整備して、労務の円滑化、効率化を図るために必要な作業であり、また、その作業内容、作業方法等からしても、社会通念上相当な程度を超える過酷な業務に当たるものともいえず、これが被上告人の労働契約上の義務の範囲内に含まれるものであることは、原判決も判示するとおりである。しかも、本件各業務命令は、被上告人が、上告人A1の取外し命令を無視して、本件バッジを着用したまま点呼執行業務に就くという違反行為を行おうとしたことから、自動車部からの指示に従って被上告人をその本来の業務から外すこととし、職場規律維持の上で支障が少ないものと考えられる屋外作業である降灰除去作業に従事させることとしたものであり、職場管理上やむを得ない措置ということができ、これが殊更に被上告人に対して不利益を課するという違法、不当な目的でされたものであるとは認められない。・・・・そうすると、本件各業務命令を違法なものとすることは、到底困難なものといわなければならない。

備 考

使用者の有する業務命令権の根拠は、労働契約にあるとされていますので、業務命令が労働契約で合意されている内容の範囲内であり、さらに業務上の必要性や合理性が認められるものであれば、使用者は業務命令を発することができると解されています。したがって、直接に労働契約上の業務とは関連しないと思われるような事項でも、合理的と認められる範囲内での付随的な業務であれば、労働者は、正当な理由がない限り、業務命令に従わなければなりません。ただし、労働者の人格権を侵害するような業務命令や、労働基準法などの法律や労働協約に違反する業務命令は認められません。

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