在職中・退職後の従業員・取締役らの
競業行為、競業避止義務等、
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従業員に競業避止義務違反が認められるかの前提として、競業避止義務契約が労働契約として、適法に成立していることが必要となります。
判例上、競業避止義務契約の有効性を判断する際にポイントとなるのは、①守るべき企業の利益があるかどうか、①を踏まえつつ、競業避止義務契約の内容が目的に照らして合理的な範囲に留まっているかという観点から、②従業員の地位、③地域的な限定があるか、④競業避止義務の存続期間や⑤禁止される競業行為の範囲について必要な制限が掛けられているか、⑥代償措置が講じられているか、といった点です。
債務者らの主張は、要するに本件特約が債務者にとつて著しく不利益なものであつて、債務者の生存をすら脅かすものであり、公序良俗に反して無効であるというにある。競業の制限が合理的範囲を超え、債務者らの職業選択の自由等を不当に拘束し、同人の生存を脅かす場合には、その制限は公序良俗に反し無効となることは言うまでもないが、この合理的範囲を確定するにあたっては、制限の期間、場所的範囲、制限の対象となる職種の範囲、代償の有無等について、債権者の利益(企業秘密の保護)、債務者らの不利益(転職、再就職の不自由)及び社会的利害(独占集中の虞れ、それに伴う一般消費者の利害)の3つの視点に立って慎重に検討していくことを要するところ、本件契約は制限期間は2年間という比較的短期間であり、制限の対象職種は債権者の営業目的である金属鋳造用副資材の製造販売と競業関係にある企業というのであって、債権者の営業が化学金属工業の特殊な分野であることを考えると制限の対象は比較的狭いこと、場所的には無制限であるが、これは債権者の営業の秘密が技術的秘密である以上やむをえないと考えられ、退職後の制限に対する代償は支給されていないが、在職中、機密保持手当が債務者ら両名に支給されていたこと既に判示したとおりであり、これらの事情を総合するときは、本件契約の競業の制限は合理的な範囲を超えているとは言い難く、他に債務者らの主張事実を認めるに足りる疎明はない。従って本件契約はいまだ無効と言うことはできない。(フォセコ・ジャパン・リミティッド事件―奈良地裁昭和45年10月23日判決) |
これまでの裁判例では、種々の要因を総合的に考慮する考え方が主流であり、代償措置の有無のみをもって有効性の判断が行われている訳ではありません。もっとも、他の要素と比較して判断により直接的な影響を与えていると思われる事案も少なくなく、裁判所が重視していると思われる要素ではあります。
代償措置の例としては、比較的高額な報酬を受け取っていた場合、奨励金の支給をしていた場合などがあります。
従業員が退職後、顧客名簿などを持ち出して、営業秘密を漏えいした場合には、不正競争防止法に基づく以下の対応が考えられます。
1.営業秘密の侵害差止 |
2.営業秘密の媒体物の廃棄・除去請求 |
3.損害賠償請求 |
4.謝罪広告などの信用回復措置 |
これらは、元従業員のみならず、その労働者の設立した企業や、事情を知って譲渡を受けた企業、事後的に事情を知った企業に対しても、その責任を追及することができます。
在職中・退職後の従業員・取締役らの
競業行為、競業避止義務、
営業秘密の保護
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