募集採用における年齢制限の禁止
平成19年10月の雇用対策法の改正により、労働者の募集および採用に当たって、年齢の制限を設けることが原則として禁止されました。年齢制限禁止の義務化は、個々人の能力、適性を判断して募集・採用することで、一人ひとりにより均等な働く機会が与えられるようにすることを目的としています。「年齢不問」としながらも、書類選考で実質的に年齢制限しているケースも見受けられますが、書類選考だけでなく、実際に面接をして判断することが優秀な人材確保には欠かせません。
年齢制限の例外
労働者の募集および採用の際には、原則として、年齢を不問としなければなりませんが、例外的に年齢制限を行うことが認められる場合があります。但し、上限(65歳未満のものに限る)を定める場合には、求職者、職業紹介事業者等に対して、その理由を書面や電子媒体により提示することが義務づけられています。具体的には、下記の表をご参照ください。
区 分 |
具体例と留意点 |
定年年齢を上限として、その上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合 (1号) |
Ex:定年年齢が60歳の会社において、「60歳未満の方募集」と定める場合 |
労働基準法その他の法令の規定により年齢制限が設けられている場合(2号) |
Ex:18歳未満の人は就業できない業務において、「18歳以上の方募集」と定める場合 |
長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合(3号イ) |
①対象者の職業経験について不問とすること、②新規学卒者以外の者にあっては、新規学卒と同等の処遇であること、の2点を満たす必要がある Ex:「35歳未満の方募集。経験不問です」と定める場合 |
技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、 期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合(3号ロ) |
Ex:特殊技術を扱う会社において、30~35歳の従業員が相当程度少ない場合に、「30~35歳の方募集」と定める場合 |
芸術・芸能の分野における表現の真実性などの要請がある場合(3号ハ) |
Ex:「演劇の子役、18歳以下の方募集」と定める場合 |
60歳以上の高年齢者または特定の年齢層の雇用を促進する施策(国の 施策を活用しようとする場合に限る)の対象となる者に限定して募集・採用する場合 |
Ex:「若年者トライアル雇用の対象として40歳未満の方募集」と定める場合 |
具体例
募集職種:●●● 募集年齢:30~35歳まで ※年齢制限の理由:3号のロ(技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、 期間の定めのない労働契約の対象として募集を行うため) |