人事異動
企業を成長させ、永続的なものとするためには、人的資源の有効活用、すなわち人事配置(配転・出向・転籍・昇進・昇格・降格)が重要となります。それぞれの社員の適性や能力を適正に見極め、適正な人事異動を行うためには、本人の希望や直属の上司の公正かつ客観的な判断で実施されることが求められます。しかし、適正や能力を見極め、人材を適材適所に配置することは容易なことではありません。人事異動によって生じるリスクを把握し、紛争を未然に防ぐ対応策が使用者には要求されています。
「配転(配置転換)」とは、同一企業内で、労働者の職種、職務内容、勤務地について、長期に亘って変更する人事異動のことをいいます。配転のうち、勤務地の変更を伴うものを「転勤」といいます。
配転は、従業員の補充、定期的人事異動、余剰人員の雇用調整などを目的として行われます。近時、大手企業に「追い出し部屋」と呼ばれる部署ができている問題が次々と明るみとなり、国の取締りや社会の目も厳しくなっています。 配転に関する詳細は、配転をご参照ください。
出向とは、雇用先企業の従業員としての地位を保持したまま、他企業の事業所において相当長期間にわたり当該他企業の労務に従事させる人事異動のことをいいます。元の会社の従業員の地位を維持することから「在籍出向」ともいわれます。
転籍とは、企業との現在の労働契約関係を終了させて、新たに他企業との間に労働契約関係を成立させ、当該他企業の業務に従事する人事異動をいいます。「転籍出向」ともいわれ、出向元との労働契約関係が終了する点において出向とは異なります。