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代表弁護士 小川敦也

東京弁護士会

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パワハラ

1 増える職場のいじめ問題とその背景

 近時,雇用態様が多様化し,さらに長引く経済不況を背景に,労働相談自体が増加しています。その中でも,職場のいじめに関する相談は非常に増えています。

 その原因は様々ですが、一つには、働き方が変化して職場の人間関係が希薄化してきたことが挙げられます。その背景には、作業のIT化,成果主義によって労働者同士の競争が激しくなってきたこと,様々な雇用形態・労働条件の労働者が一緒に仕事をするようになってきたことなどがあります。

また,職場のいじめやセクハラ等についての法整備がなされ,労働者の人格権が裁判上も確立してきたといことも背景にあると思われます。

東京労働産業労働局統計
東京労働産業労働局統計

2 企業が受ける影響

(1)職場のモラル低下・生産性低下

 いじめが発生すると,従業員の士気がさがり,全体のモラルが低下し,ひいては,生産性の低下を招きます。

(2)人材の損失

 いじめが原因で従業員が退職するなど,企業にとって重要な人材が失われます。

(3)損害賠償責任

 いじめ・パワハラ行為を行った従業員の使用者として,民事上,損害賠償責任を負います。

(4)社会的信用の喪失

 近時,インターネットの普及も相まって,企業の不祥事に関する情報の伝播は非常に速くなっています。企業が長年にわたって築いた信用も一瞬にして失いかねません。

パワハラで自殺認める 会社に5千万賠償命令 名古屋地裁

2014.1.15 22:42 [自殺・自殺未遂] 産経ニュース

 愛知県日進市でほうろう加工業を営んでいた「メイコウアドヴァンス」の社員原田孝幸さん=当時(52)=が平成21年に自殺したのは社長らによる日常的なパワーハラスメントが原因だとして、遺族が損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は15日、パワハラと自殺の因果関係を認め、社長と会社に計約5400万円の支払いを命じた。

 田辺浩典裁判長は判決理由で「社長による暴言や退職強要は原田さんを威迫し、激しい不安に陥れた」と指摘した。

 判決によると、原田さんは仕事でミスをすると、社長に「ばかやろう」と暴言を吐かれたり、蹴られたりすると07年夏ごろから妻に打ち明けるようになった。自殺直前も社長に蹴られてけがをした。09年1月、「仕事に行っても同じ失敗を繰り返す」と遺書を書いて自殺した。  

 

パワハラ:K大に80万円支払い命令

毎日新聞 20150612日 2039

 K大大学院保健学研究科の女性教授(当時)が、上司で同研究科長だった男性教授(同)のパワハラで抑うつ状態になり、退職を余儀なくされたとして、男性とK大に損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、神戸地裁であった。遠藤浩太郎裁判官はパワハラ行為を認め、K大に80万円の支払いを命じた。

  判決によると、男性は2010年4月に科長に就任したが、女性の研究内容に関心がなく冷遇。海外出張の旅費の支払いを拒んだり、女性が企画した外部協力者を招く学部生向け授業について「そんな授業はいらない」と中止させたりした。女性が抑うつ状態になると、教授会で病状を報告するよう強制し、女性は11年3月に退職した。

 男性側は「侮辱する発言はしていない」、大学側は「教職員の自主性を尊重している」などと主張。遠藤裁判官は「男性は権限を利用し、屈辱的発言、嫌がらせを繰り返した。人格権を侵害するハラスメント行為」と判断した。男性への請求は「公務員に該当し、個人の賠償責任を負わない」として退けた。

 K大によると、男性も12年3月に退職した。広報課は「大学側の主張が認められず残念」としている。【神足俊輔】


3 職場のいじめに対する企業側の取るべき対策

(1)職場におけるいじめの類型

裁判上問題となった職場のいじめを大きく分類すると①使用者の意思による「退職強要型」のいじめ、②上司・同僚とのトラブルによる「人間関係型」のいじめの2つの類型に分けられます。

    退職強要型

      人間関係型

・退職届の提出を強要する

・仕事を取り上げる

・過大なノルマを課す

・遠隔地への配置転換

・人格を否定する発言、叱責

・からかい

・無視、無交渉

(2)企業自らが加害者にならないように

 職場のいじめの態様として多いのが,「退職強要」や「不当な業務命令・業務指導」です。

 暴力や労働者の人格を否定するような行動が伴うなど,退職勧奨の手段・方法が社会通念上の相当性を欠く場合には,違法な退職強要となり,退職勧奨をしたこと自体が不法行為となり損害賠償請求の対象となります。

 業務命令や指導についても,業務の必要性の有無,その目的,労働者に与える不利益の程度によっては,違法な業務命令・指導として損害賠償請求の対象となります。

 

女性教諭がパワハラで自殺、県と市に賠償命令…鹿児島

 鹿児島県曽於そお市の市立中教諭だった女性が自殺したのは、校長らのパワーハラスメントが原因として、女性の両親が県と市を相手取り約9600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、鹿児島地裁であった。

 吉村真幸裁判長は「大きな心理的負荷を与える行為があった。自殺との間に相当の因果関係がある」とし、県と市に約4300万円の支払いを命じた。

 女性は久留恵さん(当時32歳)。指導力を養う研修中だった2006年10月、父親が所有する空き家で自殺した。原告は遺書の内容から、校長らによるパワハラが原因と主張していた。

 判決によると、久留さんは音楽が専門で02年4月、同市の中学校へ赴任した。学校側は専門外の国語も教えさせたうえ、心療内科に通院していることを考慮せずに「指導力不足」と判断し、県総合教育センター(鹿児島市)で研修を受けさせた。

 吉村裁判長は「新たな科目の担当や研修が大きな心理的負担となり、精神疾患を悪化させた」「校長らは職員の健康に留意する義務を怠った」とし、自殺との因果関係を認定した。

2014313  読売新聞)

 

(3)職場のいじめ防止対策を講じる

 まず,職場内のいじめについての現状を把握し,具体的な方針を決定し,社員に周知します。

4 実際に職場でいじめ・パワハラが起きた場合の対策

(1)事実確認

  職場等において,いじめ・パワハラ等が発生した場合,被害拡大を防止し,被害回復を図るため,使用者には迅速かつ的確な事実調査が要請されます。個人の問題として捉えるのではなく,職場環境全体の問題として取り組むことが重要です。

  事情を聴取・把握する際には,関係者のプライバシーに十分配慮することも必要です。そのうえで,当事者の心情にも配慮しながら,経過報告をしましょう。

(2)当事者のあっせん・カウンセリング

  調査で把握した事実につき,違法性があるのかないのかを法的に判断します。その上で,両当事者間のあっせん・カウンセリング・処分等の具体的な処置を講じます。

(3)現状分析・再発防止策

 そして,社内アンケート等を通じ,いじめ・パワハラ行為が行われた原因を分析し,基本方針や再発防止策を講じた上で,それを従業員に周知・教育します。

東京都産業労働局「職場のいじめ」
東京都産業労働局「職場のいじめ」

パワハラ自殺でさいたま市に1300万円賠償命令 「市側は必要な措置取らず」2015.11.18 18:49 産経ニュースより

 さいたま市職員だったMさん=当時(41)=が自殺したのは、先輩職員のパワーハラスメントが原因だったとして、両親が同市に慰謝料など計約8100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、さいたま地裁であった。志田原信三裁判長はパワハラを認定した上で、市側の安全配慮義務違反と自殺の因果関係を認め、計約1320万円の支払いを命じた。

 志田原裁判長は、暴言や暴行が半年間に及んでいたと指摘。市側についても「相談を受けた上司らはパワハラを調査せず、配置転換など必要な措置を取らなかった」とした。一方で、両親らも精神状況の悪化を認識していたとして、賠償額の8割を過失相殺した。

 判決によると、Mさんは平成23年4月から同市西部環境センターで勤務。同年12月に医療機関で「重症の鬱状態」との診断を受けた約1週間後、自宅で首をつって自殺した。


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